蟠竜寺の面白さは境内の見どころだけではなく、住職・吉田龍雄さんが面白い。
学生の時にはプロのミュージシャンも目指したことがあるというアーティスト。
また、増上寺の各種イベントの立役者です。
ふくみみが蟠竜寺の名前を最初に目にしたのも、とあるイベントのプロデューサーで住職の名前が載っているのを見たときでした。
吉田住職と蟠竜寺は、知名度の低い「文化としての寺」を復活させるため、「アート」というキーワードで社会と繋がり、もっと世間や若い人たちに知ってもらおうと尽力されています。
寺をオワコンにはしないぞ!
その噂の蟠竜寺が「元祖山手七福神」に入っている!というのを知り、ドキドキしながら現地を訪れてみました。
すると、思ったよりも小さい!
でも、小さいけれど独特というか、唯一無二な存在感を漂わせていました。
この記事では、目黒・蟠竜寺の魅力についてたっぷりお伝えしたいと思います!
蟠竜寺のご由緒
蟠竜寺の入り口に立っている案内板の説明がわかりやすかったので、引用させていただきます。
この寺の創建は宝永6年(1709年)、浄土律復興のため、増上寺の高僧・霊雲上人が行人坂下の称明院をここに移し、蟠竜寺と改名された。
本尊阿弥陀如来像(都文化財)・善光寺如来像が安置されている。
本堂横の祠の中に山手七福神の石仏の弁財天があり、木造の弁財天は、お堂にまつってある。 池の奥に「おしろい地蔵」の異名をもつ地蔵がひっそりと立つ。
蟠竜寺への行き方
蟠竜寺をgoogle mapで検索すると、下記のように表示されます。
その通りに行くと、寺の真裏に出ます。入るところありません!
なぜこんな道で案内されるのかは不明・・・
実際には大通り沿いに立派な入り口があります。
「山手七福神」の看板を探すと分かりやすいかと思います。
不許辛肉酒入山門の結界石
先述の案内板とは別に、目黒区教育委員会が設置した看板にはこのような記載があります。
寛政6年(1794年)律院となりましたが、「不許辛肉酒入山門」の結界石がその名残を今にとどめています。
目黒区教育委員会 案内板より
この記載には訪問後に気づいて、結界石がチェックできておらず・・・すみません(汗)。
ネットで検索しても言及しているサイトが見当たらなかったので、もしかしたら「結界石」は今はないのか、ものすごく目立たないところにあるのかもしれません。
「不許辛肉酒入山門」とは、戒律の厳しい禅寺の教えで、「生臭い野菜・肉・酒を食べたり飲んだりした者は修行の場にふさわしくないため立ち入りを禁ずる」という意味です。
今はとっても自由な雰囲気の蟠竜寺ですが、最初の頃は厳しかったんですね!
蟠竜寺の境内
お庭
蟠竜寺の本堂に入る前に、まず感激するのはお庭。
小さいけれど里山に来たような温もりと、水のもたらす結界に踏み入れたような不思議な感覚を覚えました。
さまざまな木が植えられ、四季折々の風情が楽しめることと思います。
池には亀さんがのんびりと甲羅干しをしていました。
ああ、本当に不思議な感覚のするお庭だったのですが、ふくみみの文章力ではうまく伝えきれないのがもどかしや。
どうぞ、現地に行って感じてほしいです。
本堂
いよいよ、蟠竜寺の本堂に進みます!
(お庭の真ん中でしばらく佇んでいたので、どこかでご住職が見ていたら怪しんでいたことでしょう・・・。)
本堂が、これまた大変素晴らしい趣向が凝らされております。
まず、豪華で素晴らしい生け花!
このお花のおかげで、小さくてひそやかな本堂がとっても豪華に感じられます。
本堂の扉がすこ〜し開かれ、中を覗くことができます。
肉眼でご本尊が拝めます。その素晴らしさたるや・・・
中はキラキラしていて、本当に極楽浄土を見る思いでした。
弁財天堂
蟠竜寺は「元祖山手七福神」の一つで、芸能・芸術を司る弁財天を祀っておられます。
そのことも、吉田住職が「アート」を軸に活動を続ける理由の一つかと思います。
蟠竜寺の弁財天は2種類、木像と石像のものがいらっしゃいますが、この「弁財天堂」には木造弁天像が安置されています。
本堂同様、扉の格子が一部ガラスになっていて覗けるようになっております。
中には弁財天だけでなく毘沙門天や大黒天なども。
みんなで踊っているような形をしていて、なんか楽しそうな雰囲気です。
そのほか宝船など・・・七福神グッズ集めました!という感じですね(笑)。
岩屋弁天
蟠竜寺の「岩屋弁天」は本堂の脇奥にひっそりとあります。
ふくみみが訪れたとき、参拝者は1人だけだったので、足を進めるのが少し恐いような心持ちがしました。
人間が足を踏み入れてはならない神域のような風情があります。
実際は洞窟の中に足を踏み入れても良いことになっており、石造の弁財天さまを近くで拝むことが出来ました。
でもやっぱり、神域に足を踏み入れる不躾さを感じてしまって大変恐縮でした。
それほどの非日常な空気感が漂っています。
おしろい地蔵
蟠竜寺の名物「おしろい地蔵」。
このお地蔵さんにおしろいを塗ってあげると、自身の肌が綺麗になると噂ですが、なぜか見つからず・・・。
なぜでしょうか。
ふくみみには必要ないとのことなのか、とにかく何か不思議なパワーを感じる蟠竜寺です。
目黒大仏
蟠竜寺にはかつて「目黒大仏」と称され親しまれた阿弥陀如来像があったそうですが、明治の廃仏毀釈でフランスに流出し、現在はパリのセルヌスキー美術館に所蔵されています。
ウィキペディアに写真掲載されていますが、妖しく黒光りする美しい阿弥陀如来像ですので、パリに行く機会があればぜひ拝みに行きたいなと思います!
蟠竜寺スタジオ
吉田住職が若い頃にバンドをやっていたため、寺の敷地内に音楽スタジオ「蟠竜寺スタジオ」(通称:バンスタ)があります!
7〜8人編成くらいのバンドが使える広さとのことです。
また、レコーディングサービスをされていて、吉田住職のバンドはプロ並みだったのだろうなあ、と推測できます。
きっとその時築いたご縁が、今の住職の活動を支えているのでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
目黒・蟠竜寺は一見こじんまりして地味なようですが、間違いなく目黒の見どころの一つです。
元祖山手七福神だけでなく、四季折々に訪ねてみたいお寺だなと思いました。
また、寺好きとして、今後の吉田住職の仕掛ける寺イベントや活動も応援したいです!
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