【目黒 覚林寺】勝運出世の白金の清正公さま(元祖山手七福神)

東京で七福神関連の神社・寺
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セレブな土地の一つ「白金」の一角にひっそりと厳かに佇む覚林寺(がくりんじ)。
名将加藤清正公ゆかりの寺として、勝負ごとにご利益があると地元でも人気のお寺です。
元祖山手七福神の毘沙門天を祀る寺としても有名。
地元では「白金の清正公様(せいしょこさま)」と呼ばれ、親しまれています。
毎年子どもの日には「清正公大祭」が盛大に開催され、勝ち守はこの日にしか授与されません。

小さいけれど話題が満載の覚林寺、詳しくみていきましょう!

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覚林寺とは

覚林寺は日蓮宗の寺です。

名称最正山覚林寺(清正公)
住所東京都港区白金台一丁目1ー47
電話番号03-3441-9379
最寄駅JR山手線・東急目黒線・東京メトロ南北線 目黒駅、東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅
拝観時間9:00〜17:00
ご本尊釈迦牟尼
港区有形文化財山門
清正公堂
目黒 覚林寺 基本情報

この土地は肥後熊本藩主細川家の中屋敷(上屋敷の控えとして使用され、多くは隠居した主や成人した後継の屋敷とされた)でした。

細川家は加藤清正死後、肥後藩を治めることになりましたが、領民に「清正公信仰」が厚かったため、清正を丁重に扱ったとのこと。
覚林寺がこの地に開かれたのも細川家との深い縁によるものです。

また、開山は「日延上人」によるものですが、この人は加藤清正が朝鮮出兵の際に捕虜として連れてこられた李氏朝鮮の皇子になります。
清正はこの皇子を大事に育てたようです。
日延上人は養父を想い、開山の折には本尊を加藤清正の守り仏であった釈迦牟尼とし、またすでに信仰の対象となっていた「清正公」を祀るようにしました。

覚林寺縁起の書かれた掲示板

加藤清正とは

ところで「加藤清正」とはどんな人物かご存知でしょうか?

加藤清正は安土桃山〜江戸初期にかけてとっても活躍した武将、大名です。
初代肥後熊本藩藩主
肥後国人一揆を平定後、情勢不安定だった熊本地域を秀吉より任されることとなりました。

清正は様々な土木工事を行なったことで洪水が減り、農作物の生産性を上げることに成功。
また南蛮貿易の経済政策などで領民の信頼を得て「清正公さん」と親しまれるようになりました。

それが現在の清正公信仰へと繋がり熊本では知らない人はいないと言われるほど。

日本三代名城の一つ、熊本城を築城したのも加藤清正になります。
現在の熊本の発展の基礎を築いた人というわけです。

家紋のこと

覚林寺の境内にはたくさんの「◯」を見ることができます。

覚林寺本堂
清正公堂の屋根にたくさんの「◯」が!


これは蛇の目紋(じゃのめもん)という家紋になり、加藤清正が用いたことで有名です。

単なる模様ではなく、蛇の目を象った呪符の一種なのだそうで、加藤清正の替紋(桔梗紋が常紋)として用いられました。

替紋とは・・・
本来の家を示す公式的な家紋以外のもの全てのこと

覚林寺境内には替紋である蛇の目紋と常紋の「桔梗紋」の両方見られますので、ぜひ見つけてみてください!

細川家と赤穂浪士

覚林寺が建っている土地は、かつて肥後熊本藩主細川家の中屋敷でした。
もともと下屋敷だったのが、途中で中屋敷に変更したとのことです。

ところで細川家はあの赤穂事件に関わりがありました。
赤穂事件後、大石内蔵助含む赤穂浪士17名が切腹処罰されるまでの預かり先となり、細川家の下屋敷で暮らしていたそうです。
覚林寺から500メートルほどのところ、徒歩約10分ほどのところに赤穂浪士自刃の跡の碑があります。
覚林寺の土地が「昔は下屋敷だった」とあるので、大石内蔵助がいた屋敷の一部であったと推察されます。

覚林寺境内

ふくみみ
ふくみみ

お待たせしました!
それでは早速境内に行ってみましょう!

山門

覚林寺山門
覚林寺山門

港区指定有形文化財。
弘化2年(1845年)の大火で全焼し、安政3年(1856年)に再建されました。
覚林寺境内の中で最も古い建築物となります。
木造・銅板葺の薬医門で、両側に脇戸が付きます。

山門の屋根にも「蛇の目紋」が見えますね!

清正公堂

清正公堂
清正公堂

港区指定有形文化財。
弘化2年(1845年)の大火で全焼し、慶応元年(1865年)に再建されました。
拝殿・幣殿・本殿からなる権現造形式です。

有栖川宮熾仁親王の書かれた扁額には金色の「破魔軍」の文字が光ります。

精巧な木彫り彫刻も見どころ!
木鼻きばな彫刻(木の端の部分)は獅子や龍、懸魚(げぎょ)彫刻(神社や寺院の建物の正面、唐破風の下に取り付けられた飾りで火除けまじないになっている)の龍など大変迫力があります。

賽銭箱にも蛇の目紋!

本堂

覚林寺本堂
覚林寺 本堂

山門を入ってすぐ右手に本堂があります。
建物は新しく近代的な印象です。

浄行菩薩

ひっそりと佇む浄行菩薩

この像を水で洗い清めることによって自らの煩悩を清めると言われています。

毘沙門堂

覚林寺毘沙門堂
毘沙門堂

覚林寺は元祖山手七福神の一つになっています。

\元祖山手七福神についてはこちら/

武将の神を祀っているお寺らしく、祀られている七福神は「毘沙門天」。

お堂におさまっていますが目を凝らして覗いてみてください♪
小ぶりながらも力強い毘沙門天さまがいらっしゃいますよ。

清正公大祭

さいごに、1年に一度の清正公大祭についてご紹介します!

毎年5月の上旬、こどもの日のあたりに盛大に行われます。
商店街による「のれんノ市」も行われ、たくさんの出店が並びます。

注目はこの日にしか授与されない「ち守」。
「勝負に勝つ」ということで、菖蒲(しょうぶ)の茎の一片を法華の経文で包んだものだそうです。

また、同じくこの日にしか手に入らない「開運出世祝鯉」があります。

ふくみみ
ふくみみ

子どもの成長を願う親子連れや、苦悩に打ち勝とうとする人々でとっても賑わいます。

おわりに

覚林寺は、元祖山手七福神の始まりまたは終わりの寺になります。
小ぶりで少々地味な印象がありましたが、くわしく掘ってみるととても面白いお寺ですね!

赤穂浪士や蛇の目紋など、知らなかった情報がたくさん出てきました。清正公堂の彫刻は本当にすごいし、金文字の扁額など、建造物の見応えはたっぷりあります♪

熊本藩の清正公つながりで、ときどき「くまモン」も来るらしい・・・?

まだまだ色々出てきそうな覚林寺、どうぞお出かけください♪

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