この記事では谷中七福神巡りのコースや見どころについて見ていくよ。
※モデルコースです。本来、七福神巡りの順番は決まっていません。好きなところからでOK!
\七福神巡りってなに?という方はまずはこちら!/
谷中七福神は江戸最古の七福神巡りです。
そのため七福神の寺社はもちろん、周囲の寺も歴史が深いものばかり。
江戸時代の古民家をリノベーションしたカフェやギャラリー、資料館などもたくさんあります。
ルートの途中に「谷中ぎんざ」も通ります。
昭和の古き良き風景が見られることで有名。
時間に余裕があれば商店街を散策して食べ歩きも楽しいですよ!
谷中七福神巡り 基本情報
谷中七福神巡り おすすめコース(順路)
江戸最古の七福神巡り
\「街と人と墓地と。老舗の人情を感じる」コース/
❶谷中七福神 東覚寺(福禄寿)をチェック!
ご真言はオン マカリシ ソワカ
金運・子孫繁栄・延命長寿・富貴栄達のご利益があるよ!
東覚寺はJR田端駅北口から徒歩6〜7分ほど。
大通りを曲がるとすぐ、何やら赤い紙が貼られまくった物体を目撃します。
これが「赤紙仁王」です。
とにかく異様な風体で目を引くこの二体の像は、自分の悪いところに赤紙を貼ると身代わりになってくれるといわれるもの。
祈願成就すると草鞋を奉納するのだそうです。
境内に入ると、黄金の大日如来像に出迎えられます。
大小様々な銅像がたくさん。仏像好きさんにはたまらないことでしょう!
ご本尊 | 不動明王、福禄寿 |
名称 | 白龍山寿命院 東覚寺 |
住所 | 東京都北区田端2-7-3 |
電話番号 | 03-3821-1031 |
拝観時間 | 9:00〜17:00 |
文化財 | 蜀山人の竹型の雀供養之塚 石造金剛力士立像 |
公式サイト | https://tabata-toukakuji.jp/ |
❷谷中七福神 青雲寺(恵比寿天)をチェック!
ご真言はオン インダラヤ ソワカ
商売繁盛・五穀豊穣のご利益があるよ!
青雲寺へはかなり歩きます。
道中はごくごく普通の道なので途中不安になりますが、とりあえず西日暮里方面に向かってください。
google mapに従って進むと、「青雲寺参道」という案内が見えます。
曲がるとごくごく清貧な、けれど趣深いお寺が見えます。
青雲寺の魅力は美しく整えられた庭木たち。
とても地味なお寺ですが丁寧な気遣いが感じられました。
いくつかの石碑は重要なもののように感じられましたが、特に案内板などはありません。
ご本尊 | 釈迦如来、恵比寿天 |
名称 | 浄居山 青雲寺 |
住所 | 東京都荒川区西日暮里3-6-4 |
電話番号 | 03-3821-4241 |
拝観時間 | 9:00〜17:00 |
文化財 | 滝沢馬琴の筆塚の碑 日暮里船繋松の碑 狂歌師安井甘露庵の碑 |
❸谷中七福神 修性院(布袋尊)をチェック!
ご真言はオン マイタレイヤ ソワカ
無病息災・商売繁盛などのご利益があるよ!笑う角には福来る!
修性院を特徴づけるのはピンクの壁!
初めて訪れた時にはびっくりしました。
壁にはいくつかのタイル絵がはめこまれ、「健一」という銘が読み取れます。
荒川区出身の画家、吉野健一さんの絵だそうです。
境内は本堂の他は墓地になっています。
七福神のご開帳期間には本堂の布袋尊像を拝観できるとのことです。
こちらの布袋さんは別名「日ぐらしの布袋」と呼ばれています。
修性院の横には「富士見坂」があります。
今では残念ながらビルに阻まれて富士を見ることは出来ませんが、昔の人はここで富士を眺めていたのだなあ、と思いを馳せるのも一興です。
ご本尊 | 一塔両尊四士、布袋尊 |
名称 | 運啓山 修性院 |
住所 | 東京都荒川区西日暮里3-7-12 |
電話番号 | 03-3823-0873 |
拝観時間 | 9:00〜17:00 |
文化財 | 日尾荊山衣さく碑 木造布袋尊像 木造一塔両尊仏坐像付・胎内文書 木造三十番神坐像 |
❹谷中七福神 長安寺(寿老人)をチェック!
ご真言はオン バザラユセイ ソワカ
延命長寿・諸病平癒・身体健全のご利益があるよ!
修性院から長安寺へ行く途中に、有名な「谷中ぎんざ」を通ります。
夕焼けの名所「夕焼けだんだん」が有名ですね。
右に曲がるとワクワクするような谷中銀座の商店街。
お時間が許すようなら食べ歩きなども良いかも知れません。
その他にも変わった店や面白い店がたくさんあり楽しいです♪
谷中ぎんざに後ろ髪を引かれながら先に進みますと、その通りには気になるスポットが満載。
朝倉塑像館や「台東区まちかど賞」の観音寺築地塀など、ついつい寄り道をしてしまいます(笑)。
お目当ての「長安寺」はその少し先で、驚くほど質素なお寺です。
入口に案内板が無ければ気づかず通り過ぎてしまいそうです。
長安寺は広くはない敷地に小さな庭と本堂、そして墓地があります。
明治時代の日本画家で近代日本の父、狩野芳崖の墓があります。
また、台東区有形文化財に指定されている鎌倉時代の板碑三基・室町時代の板碑一基は墓地脇で見ることが出来ます。
御神体 | 千手観音菩薩、寿老人 |
名称 | 臨済宗妙心寺派長安寺 |
住所 | 東京都台東区谷中5-2-22 |
電話番号 | 03−3828−1094 |
拝観時間 | 9:00〜17:00 |
文化財 | 長安寺板碑 狩野芳崖墓 紺紙金字大般若波羅蜜多経巻第四百三十一 |
公式サイト | http://www.choanji.net/ |
❺谷中七福神 天王寺(毘沙門天)をチェック!
ご真言はオン べイシラ マンダヤ ソワカ
金運・開運・商売繁盛・合格祈願・健康長寿・厄除けのご利益があるよ!
谷中霊園を抜けた先に天王寺があります。
それまで谷中で見られる寺院は古いものが多かったのですが、天王寺の山門はとても近代的で洗練されており驚きます。
中に入ると休憩用のベンチなどもあり、お庭でゆっくり過ごせるようになっています。
山門を入ってすぐに、台東区有形文化財「銅像釈迦如来坐像」の存在感に魅了されます。
その前の庚申塔などにも手を合わせつつ、釈迦如来像へ一目散。
紅葉の影越しに美しいお姿を堪能できました。
本堂は非常にシンプルで古く、なんだかホッとする佇まい。
お天気の日は濡れ縁に腰をかけて静かな空間を堪能することもできます。
古いものと近代的なもの、また自然との調和が絶妙でとても癒される境内です。
御神体 | 阿弥陀如来、毘沙門天 |
名称 | 護国山尊重院 天王寺 |
住所 | 東京都台東区谷中7-14-8 |
電話番号 | 03-3821-4474 |
拝観時間 | 9:00〜17:00 |
文化財 | 天王寺五重塔跡 塩谷宕陰の墓 田安宗武墓 大橋訥庵墓 朝倉文夫墓 牧野富太郎墓 木造毘沙門天立像 絹本着色両界曼荼羅 絹本着色阿弥陀二十五菩薩来迎図 絹本着色天台大師画像 銅造釈迦如来坐像 村垣淡路守範正墓 |
公式サイト | http://www.tendaitokyo.jp/jiinmei/tennoji/ |
❻谷中七福神 護国院(大黒天)をチェック!
ご真言はオン マカキャラヤ ソワカ
五穀豊穣・商売繁盛・金運・縁結びのご利益があるよ!
再び谷中霊園を戻り、上野方面へしばらく歩きます。
この道中にも気になるスポットがたくさんです。
古民家をリノベーションしたカフェにギャラリー。
旧家を再利用した空間などがありました。
大黒天の護国院はとても趣きがあり重厚感があるお寺です。
ふくみみが入って行ったことで通りがかりの美大生たちが護国院の存在に気づいた途端「ちょっとちょっと、めっちゃいい感じじゃん!?」とキャピキャピしていました(笑)。
境内には能舞台があり、一風変わった趣があります。
護国院は上野寛永寺の子院の一つです。
釈迦・文殊・普賢の三尊像を本尊としたことから「釈迦堂」と名付けられました。
寛永16年(1639年)、豊臣・徳川両軍の霊を弔う大念仏法要が執り行われた功績を称え、三代将軍徳川家光より藤原信実筆と伝えられる大黒天画が奉納されました。
その後護国院大黒天は人々の信仰を集めるようになりました。
ご本尊 | 釈迦牟尼如来、大黒天 |
名称 | 東叡山寛永寺 護国院 |
住所 | 東京都台東区上野公園10-18 |
電話番号 | 03-3821-3906 |
拝観時間 | 9:00〜17:00 |
文化財 | 護国院庫裡 絹本着色不動明王二童子画像 絹本着色慈恵大師画像 |
公式サイト | http://www.tendaitokyo.jp/jiinmei/gokokuin/ |
❼谷中七福神 不忍池辯天堂(弁財天)をチェック!
ご真言はオン ソラソバテイエイ ソワカ
技芸上達・財運開運・学業成就・恋愛成就のご利益があるよ!
不忍池弁天堂は上野公園の敷地内、不忍池にあります。
建立当初は浮島となっていて舟で渡らないと行けなかったそうですが、参詣者が多くなるにつれて橋が架けられました。
今ではその参道には出店が立ち並び、休日ともなると大変な人出です。
不忍池弁天堂の御本尊は慈覚大師の作といわれる「八臂弁財天(はっぴべんざいてん)」です。
境内の案内板によると、脇士は毘沙門天・大黒天となります。
秘仏で普段は拝観できないですが、毎年、巳成金(みなるかね)大祭の日にご開帳されるとのこと。
「八臂」というのは8本の腕のこと。
中央に八臂弁財天、左右に毘沙門天と大黒天を従えたお姿、見てみたいですね!
また、一方で、掲示板の説明書きには不忍池弁天堂の御本尊を「宇賀弁財天」となっていました。
「宇賀弁財天」とは、弁財天の頭の上に宇賀神が乗っている、宇賀神と弁財天の合一神です。
「宇賀神」とは、日本神話に登場する宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)に由来する、人頭蛇身の神。人間に福徳をもたらしてくれる神です。
頭は女性や老翁などがあり、体はとぐろを巻いています。
そもそも、不忍池弁天堂の属する寛永寺は、「見立て」という思想のもとに上野の山を設計したそうで、寛永寺の名の由来も「延暦寺」に倣って「寛永年間」から付けられたのだそうです(公式ホームページより)。
不忍池は琵琶湖に見立てられ、不忍池弁財天は竹生島宝厳寺(弁財天)に見立てられ建立されました。
竹生島の御本尊も宇賀弁財天ですね。
竹生島の宇賀弁財天は60年に一度のご開帳。次回は2037年となります。
ご本尊 | 宇賀弁財天 |
名称 | 東叡山寛永寺 不忍池辯天堂 |
住所 | 東京都台東区上野公園2-1 |
電話番号 | 03-3821-4638 |
拝観時間 | 9:00〜17:00 |
公式サイト | http://bentendo.kaneiji.jp/ |
おわりに
谷中七福神は、おおむねひっそりと味わい深いお寺が多かったです。
特に谷中周辺は「下町」とも言える庶民的な雰囲気。
谷中ぎんざでは肉屋さんでコロッケが買えたり、食べ歩きにぴったりのおやつが買えたりします。
江戸下町の賑わいを今も遺している、といった雰囲気です。
一方で新しいものもどんどん取り入れており、古いものと新しいものが絶妙に融合している印象でした。
街の人がさまざまに考えながら街づくりをしている感じがあって、歩いているとたくさんの発見があり面白いです。
・・・今は谷中の景色にも「スカイツリー」も欠かせません。
谷中霊園の頭上からスカイツリーが見えた時は声を上げてしまいました(笑)。
上野公園付近はさすがの賑わい。
上野公園には寛永寺も上野動物園も、美術館・博物館・文化会館もあるので老若男女さまざまな人が集います。
また、不忍池の水上ステージではアイドルのイベントが行われていたりして、時代を経てもどんな人も受け入れる文化の中心地であるなあと実感させられました。
日本一の芸術大学「芸大」もここにあるよ!
七福神巡りでは上野からでも田端からでも、どちらから始めても構いませんが、ふくみみは田端→上野のルートをおすすめします。
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