【天恩山五百羅漢寺】圧巻の五百羅漢像に囲まれて瞑想する<東京・目黒>

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ふくみみ
ふくみみ

七福神めぐりに関連する面白いスポットをご紹介します!

元祖山手七福神は1時間半もあれば全部回れてしまうコースです。
1日の予定にするには少々物足りないと感じるかもしれません。
「あれ?もう終わっちゃった・・・」と拍子抜けしてしまうきらいがあります。
そんな方におすすめしたいお立ち寄りスポットが、この「天恩山五百羅漢寺」です。

\五百羅漢寺の前に元祖山手七福神をチェックしたい方はこちら!/

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まず知っておきたい!「五百羅漢」とは

五百羅漢寺のお話に入る前に、まずは「羅漢」について確認しておきましょう。
「羅漢」とは、仏教において最高の悟りを得た聖者のことです。
また「五百羅漢」とはブッダに付き従った500人の弟子のこと。
お釈迦様が亡くなった時に集まった500人の実在のお弟子さんとも言われています。
五百羅漢は側近になるにつれ18羅漢、16羅漢、十大弟子、というように絞られます。

「五百羅漢像」は十大弟子、16羅漢、18羅漢を含む500人の羅漢をモデルとして造られた仏像群で、古くから信仰の対象として人気です。
日本全国各地で五百羅漢像をお祀りしている寺社があります。

500体の羅漢像が一斉に並べられている様子は圧巻!
そんな五百羅漢が味わえる寺の一つが目黒の「五百羅漢寺」です。

東京都内で五百羅漢に関連する寺

五百羅漢が見られるお寺は全国にいくつもあります。
東京では五百羅漢寺の他には下記が挙げられるでしょう。

目黒 大圓寺

(所在地)東京都目黒区下目黒1丁目8-5

目黒雅叙園のすぐそばにあり、元祖山手七福神の一つ。
山門を入ってすぐ左手に五百羅漢「石仏群」があり圧巻です。

三軒茶屋 世田谷観音寺

(所在地)東京都世田谷区下馬4丁目9−4

目黒羅漢寺の五百羅漢坐像のうち九体が阿弥陀堂に安置されています。
世田谷観音寺には七福神もいらっしゃいますよ!

芝公園 増上寺

(所在地)東京都港区芝公園4丁目7-35

狩野一心によって書かれた五百羅漢図を所蔵
展示室にて期間ごとの限定公開があります。
https://www.zojoji.or.jp/takara/

中野坂上 成願寺

(所在地)東京都中野区本町2丁目26ー6

十六羅漢石像を拝観できます。

天恩山五百羅漢寺 基本情報

お待たせしました!
それでは、目黒の五百羅漢寺について見ていきましょう。

名称天恩山五百羅漢寺
住所東京都目黒区下目黒3丁目20−11
電話番号03-3792-6751
最寄駅JR山手線・東急目黒線・東京メトロ南北線 目黒駅、東急目黒線 不動前駅
拝観時間9:00〜17:00(受付は16:30まで)
ご本尊釈迦如来
東京都指定重要文化財五百羅漢像
公式ホームページhttp://rakan.or.jp/
五百羅漢寺 基本情報

天恩山五百羅漢寺は初めは目黒にはなく、元禄8年(1695年)に現在の江東区大島に建立されました。当時は江戸の羅漢信仰発祥の地とされていました。
開山は黄檗宗の禅僧「鉄眼道光」ですが、鉄眼道光死後に弟子の松雲元慶が五百羅漢像を彫り発願。
ちなみに鉄眼道光の師匠の「木庵性瑫」は、元祖山手七福神の一つ「瑞聖寺」の開山とされています。

松雲元慶像
山手通り沿いの案内板のところには松雲元慶像があります!

江東区にあった羅漢寺は明治維新により衰退し、明治41年目黒に移転しました。
都営新宿線西大島駅の目の前に五百羅漢跡の石碑が建てられています。

現在は西大島駅前に五百羅漢跡がある。

五百羅漢跡の直ぐそばに「羅漢寺」がありますが、こちらは元々どこぞにあった曹洞宗の寺院が、土地が開いたために移ってきたのですが、地元の人の意向によって後に「羅漢寺」と改名しただけで、目黒の五百羅漢寺との関わりはないそうです。
地元の人の意向って・・・当時の五百羅漢寺の人気ぶりが伺われますね。

移転後はしばらく放置される時期もあり荒廃、昭和13年に「安藤妙照尼」が入寺して維持しました。
安藤妙照尼は元新橋の芸者で「お鯉さん」と呼ばれていたそうです。
五百羅漢寺には安藤妙照尼にちなむ「お鯉観音」があり、資料展示もされています。

昭和54年、故・日髙宗敏貫主によって再建計画が立てられ、昭和56年(1981年)現在の堂宇が完成
大変立派な近代的なビルになりました。
地元では「目黒のらかんさん」と呼ばれて親しまれています。

移転や再建が多いのでややこしいですね。
まとめますと以下になります。

  • 五百羅漢時は元々江東区にあった
  • 目黒に移転したが無住で荒廃した
  • お鯉さんが入寺し、復興へ
  • 日高貫主により現在のビルに

この流れを理解していると、展示資料の意味が分かり感動が増しますよ!
これから五百羅漢時に訪れようという方は、上記歴史を頭に入れていくことをおすすめします。

ちなみに羅漢像は元々536体あったのですが、現在は300体ほどとのこと。
上述の通り9体は東京・三軒茶屋の世田谷観音寺に安置されています。

五百羅漢寺は江東区の頃に徳川綱吉や吉宗が支援していたとのことで、目黒に移転後の現在も各所に葵の御紋が見られます。

併設の「らかん茶屋」にも葵の御紋

五百羅漢寺の拝観順路

ふくみみ
ふくみみ

いよいよ目黒五百羅漢寺の境内に入ってみましょう!

目黒 五百羅漢寺 正面
目黒 五百羅漢寺 正面

まずは受付で拝観料を支払いパンフレットを受け取ります。
拝観料は大人500円学生(高校生以上)400円中学生以下は無料です。

目黒 五百羅漢寺 受付
五百羅漢寺 受付

パンフレットを受け取ったら拝観順路の説明があります。

五百羅漢寺 パンフレット
五百羅漢寺 パンフレット

(拝観順路)
羅漢堂碑のこみち本堂阿弥陀堂→聖宝殿

五百羅漢寺境内

受付を済ませたら、まずは右側の建物におすすみください!
(ふくみみは受付脇の左側建物に入りそうになってしまったのでご注意ください。)

羅漢堂

五百羅漢寺パンフレット表
五百羅漢像イメージ(パンフレットより)

最初に羅漢さんに出会うのが「羅漢堂」です。
メインは「本堂」ですが、ここの羅漢さんも圧巻!
意外と大きな坐像です。

聞けば本堂に入りきらなかった146体の羅漢像がこちらに安置されているのだとか。
簡単に触ることができる距離感なので、人間の呼気などでの劣化や破損が少々心配になります。

写真撮影は禁止されていますが、見張りがいるわけではなく、参拝者のモラルに一任されているのが逆にプレッシャーです(笑)。
なお、堂内の撮影は禁止ですが、外から仏像が映らない角度での建物の撮影はOKだそうです!
後に知ったので今回は写真はありません^^;

羅漢堂に鎮座する羅漢さんには、それぞれにキャプションがついており、初めは一つ一つの言葉とお姿を確認しながら見物させていただきました。
せっかくなので全部確認しよう・・・と意気込んでいたのですが、想像以上に多い!!
3分の2くらいで力尽きまして、キャプションを見るのは諦め、気になったお姿のらかんさんのみ確認しました。
それでもかなりの労力を使いますので心してください(笑)。

羅漢堂のもう一つの見どころは「獏王像(白澤はくたく像)」です。
「獏」は悪夢を喰い良夢を与えると言われる架空の神獣。
顔に三つ目、両脇腹にもそれぞれ三つ目。
なかなか禍々しいインパクトのあるお姿です。
近くに寄ると、だいぶ、怖いです・・・(笑)。
でも「いい夢を与えてくれる」ということで夢を叶えるご利益があるそうです。

碑のこみち

羅漢堂を出ると中庭になっており、「碑のこみち」という名前が付けられています。
名前の通り、いくつかの「碑」があり散策しながら拝観できます。
代表的なところは「高浜虚子区碑」や「さくら隊原爆殉難碑」など。
そのほか「お鯉観音」があるのもこのエリアになり、陽の光の中ゆっくり散策すると厳かな心もちになります。
このエリアは写真撮影OKです!

本堂

さていよいよ本堂です!
葵の御紋の社寺幕をくぐって靴を脱ぎます。
靴を持って本堂へ・・・朱の絨毯を踏む足の裏の間隔が心地よいです。

本堂の中に入ると目に飛び込んでくるのは、正面中央におわす巨大で煌びやかな釈迦三尊像。
その周りを囲む、羅漢羅漢羅漢羅漢・・・。
バラエティ番組の「ひな壇」のように個性豊かな羅漢像たちが並びます。
スピーカーからはテノールの落ち着いた語り声でお釈迦様の説法が流れています。

この本堂では、お釈迦様が500人の弟子に説法している光景を再現しているとのことです。

手前には椅子がたくさん用意してあります。
自由に座って、気のすむまでそこに居てOK!
誰もいなかったので釈迦如来の真正面を独占し、異空間を堪能しました。

すり鉢状に並ぶ羅漢さんたちに見下ろされると自分を見つめ直さざるを得ません。
正直、本堂に人がいっぱいだったことはないので(笑)、ゆっくり瞑想できます。
目を半眼にして瞑想しようものならあっという間に不思議な世界にトリップしてしまいます。
この素晴らしくも不思議な感覚は、文章では表現しきれません。
ぜひ五百羅漢寺に赴き、ご自身で体感されることをお勧めします!

流れ続けている説法はCDを流しています。
このCDは販売されていますので、ご自宅でも説法を聞きながら瞑想できます。
でも、繰り返しになりますが、五百羅漢さんに埋め尽くされたこの空間はここに来ないと体験できません!

阿弥陀堂

阿弥陀堂はガラス扉が閉まっており気付きにくいですがこちらも参拝可能です。
本尊阿弥陀如来像が参拝できます。
また、仏教関係の書籍が置いてありミニ図書館のような感じ。
こちらも閲覧可能だそうで、時間がある方は立ち寄ってみてください。

聖宝殿

順路の最後は聖宝殿になります。
こちらには五百羅漢寺や五百羅漢にまつわる様々な資料がたくさん。
書や絵画などもあります。

聖宝殿に入って最初に目に入るのが、天井からぶら下がる大きな開梆(かいぱん)。
魚の形をした木魚の原型とされる法具です。
天井に忽然と現れる大きな魚にユーモラスささえ感じます(笑)。

そして名物は「麒麟像」。
江戸時代の五百羅漢寺に安置されていた麒麟像の復活を願ってクラウドファウンディングが立ち上げられ、見事に復活を遂げました。
五百羅漢寺の像の中でこの麒麟像だけは写真撮影可になります。

五百羅漢寺 麒麟像
五百羅漢寺 麒麟像

見てください、この立派で神々しいお姿!
この麒麟像を彫ったのは加藤巍山(ぎざん)さんという、高村光雲の流れを汲む仏師です。
高村光雲は上野の西郷隆盛像を作った人、詩人の高村光太郎のお父さまです。

加藤巍山さんがこの麒麟像を彫ろうと思ったきっかけがまた面白いのです。

仏師が寺のご本尊となる仏像を彫るきっかけとなるのに多いのが「霊夢によるご神託」になります。
でもそれは昔の話とばかり思っていましたが・・・この麒麟も霊夢」によって彫られることになったそうです。

霊夢を見たのは五百羅漢寺の羅漢像の修復に取り組んでおられる長井武志さんという方。
その方の夢に麒麟が現れた時に、なぜか巍山さんのことを思い浮かべたとのこと。
これは麒麟が長井さんの夢を通して「巍山に私(麒麟)を彫らせろ」と伝えてきたのだと思い、連絡がきたのだそうです。

そうして昔の「寄進」の代わりとなるクラウドファウンディングで資金が集められ、見事麒麟像が復活し、五百羅漢寺の聖宝殿に安置される運びとなったのです。

写真OKとなると、様々な角度から隅々まで写したくなるのが人情。
とってもかっこ良くて、写真映えのする麒麟像です。

聖宝殿の部屋の片隅には来訪者が自由に書いて良いノートとカラフルなペンが置いてあります。
ノートを読んでみるとなんともほっこりした気分になります。
みんな色々な想いがあって五百羅漢寺を訪れるのですね。
多くの人が何度も訪れているようでした。
この時ふくみみも2度目でしたので、ノートにお礼と共に記してきました。
住職が1人1人にお返事を書いておられたので、お返事を見にまた行かなければ!と思います。
皆さんも、訪れた際にはぜひ何か残してみてはいかがでしょうか。

おわりに

「五百羅漢」はその特異性により大変人気のある仏像群です。
日本全国に五百羅漢像を有するお寺はたくさんあります。
中でも有名なのが大分県「羅漢寺」、神奈川県「建長寺」、栃木県「徳蔵寺」など。

ふくみみ
ふくみみ

目黒の五百羅漢寺も負けてません!
間違いなく東京代表ですヨ。

ぜひ、一度ならず二度三度、訪れてみてください♪

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